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むし歯予防にフッ素の利用を
=佐賀新聞 2018 年02 月13 日掲載=


 この程、日本でも従来品よりフッ素の濃度が1.5 倍(1,500ppm)の歯磨剤が販売されるようになりました。外国の店頭で販売されているのは、ほとんどがこの濃度が標準ですが、薬局などの専門店に行くと2.5 〜 4 倍の濃度の物も販売されている国もあります。

 歯磨きしないとむし歯になると思われている人もいますが、犬や猫は歯磨きしませんが、むし歯になりません。これは砂糖を食べないからです。人間が食べる残飯等を食べさせると、砂糖が口の中の細菌によって有機酸が作られ、この酸によって歯が溶かされむし歯になります。ですから人間も砂糖を食べなかったらむし歯にはなりません。昔の人がむし歯がほとんどなかったのは、砂糖が貴重で高価であったため、食べれなかったためです。

 日本人は世界でもっとも歯磨きする民族ですが、世界でもっともむし歯が多い民族です。歯磨きは、歯周病には効果的ですが、むし歯予防にはなりません。

 砂糖を食べると、3 分後から歯が溶け始めます。その後に歯磨きしても汚れは落ちますが、溶けた部分は元に戻りません。しかし、歯磨剤やフッ素洗口等でフッ素を補ってあげると、溶けた部分を修復して元の状態(再石灰化)に戻してくれるのです。

 むし歯予防のため、欧米等の水道水の普及のいい国は、水道水にフッ素を添加しています。そうでない国は、食塩の中にフッ素を添加しています。タイでは、粉ミルクの中に添加しています。

 むし歯予防に使うフッ素は危険だという人がいますが、その人達の中で、「実際に自分で調査や検査をしている人は一人もいませんでした。」フッ素は毎日食べる食品の中にも含まれています。一番多いのは主食である米やパンです。むし歯予防に使う程度の量のフッ素が危険ならば、何にも食べれなくなります。測定すればすぐわかると思います。

 WHO( 世界保健機関) は、1969 年にむし歯の予防方法を発表しました。この方法を用いれば、約95%の人がむし歯が一本もない状態になります。佐賀県でも、WHO の予防手段の一部のフッ素洗口をする事によってむし歯が8 割減少しました。

 私の子供は高1 と中2 です。WHO の指針に従ってむし歯予防しているので、むし歯は一本もありません。むし歯予防にフッ素の応用を!