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健康食品を過信しないで

佐賀新聞掲載日2010年04月20日

 鹿島市 掛園浩(43)

 2010年3月21日の佐賀新聞の「食の情景」の欄で、「ひざが痛い」ことが発端で、実家が大量の健康食品を購入。つぎ込んだお金は数百万円≠ニいう記事が掲載されていました。

 健康食品の中には、加齢とともにひざを支える軟骨(ヒアルロンサン、コンドロイチン等)が少なくなるため、健康食品でそれを補おうというものまであります。

 普通の食生活をしている限り、医学的に健康食品は必要ありません。体に必要なものはすべて自分の体内でつくられます。ひざが痛いからといって、焼き鳥屋で軟骨を食べても治らないのと同じです。

 ウサギや羊などの草食動物は、肉や脂を食べませんが、草を材料に、肉や骨や軟骨、脂肪等体に必要な物すべてを合成します。人間も同じです。

 あえて健康食品の代表を挙げるなら、鶏卵でしょう。鶏卵は、安価なうえ、ビタミン、ミネラル、アミノ酸、脂質等一つの生命が誕生するためのすべての栄養素がバランスよく含まれています。でも、どの食品でも食べ過ぎには注意が必要です。(歯科医師)