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フロリデーション地域で給水されているフッ化物には、遺伝学的な危険性がありますか?

米国科学アカデミー(NAS)の米国研究評議会(NRC)は、フロリデーション水を飲むことに遺伝的な危険性がないという結論に同意しています

 染色体はDNAを含む細胞の主体をなし、特徴ある個体形質の決定とそれを子孫に伝える役割を司ります。遺伝子は機能的な遺伝単位であり、染色体上の決められた位置に存在します。フッ化物による染色体の損傷に関する多くの研究がなされてきました。しかし、ヒトにおけるフッ化物の遺伝毒性(DNA損傷)についての研究は報告がなく、多数の研究はマウスでなされています。それらの研究では、骨髄や精子において、フッ化物濃度がフロリデーション水の100倍の濃度であっても、フッ化物が染色体に損傷を与えることは実証されていません。他の研究グループでは、特に遺伝的突然変異を起こしやすいヒト白血球の染色体にも、フッ化物が影響を与えることはないと報告しています。フッ化物は染色体に損傷を与えないだけでなく、既知の変異原性物質(DNAに変異を引き起こす物質)から染色体を守っているとの研究結果もあります。フッ化物の遺伝毒性も、ハムスターの骨髄細胞や培養卵巣細胞で研究されていますが、ここでもまたフッ化物が染色体に損傷を与えず、それゆえ遺伝的に危険ではありません。さらに、広範囲のフッ化物レベルにわたって最も広く使用されている細菌変異誘発試験(Ames test)をテストした結果、フッ化物は変異原性のないことが認められました  

米国科学アカデミー(NAS)の米国研究評議会(NRC)は、フロリデーションが一般的に遺伝学的な危険性は認められないという結論を支持しています。その研究を要約したNRCの声明を引用すると、試験管(生体外)実験データにより以下の結果が得られています

1)フッ化物の遺伝毒性はヒトが利用しているフッ化物濃度よりも異常に高い濃度に限られている。

2)高いフッ化物濃度の場合でさえ、遺伝毒性が常にみられるというわけではない。

3)遺伝毒性への影響について行った研究報告を総じて評価すると、遺伝毒性が全くないか無視できる程度のもの、との分類に当てはまる

  哺乳動物の細胞で染色体異常を引き起こすと報告されているフッ化物の最少量は、フロリデーションされている地域のヒトの細胞のフッ化物濃度の約170倍であり、これはフロリデーションが極めて安全であることの証拠です