佐賀新聞 20190526日掲載
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亜熱帯気候の日本の夏に適応を

 まだ5月だというのに真夏日が記録されました。今年はどんな暑さの夏が来るのでしょうか?

でも世界的に見れば日本の夏の暑さは、まだ厳しくはありません。豪州では、今年気温が50度を超える所もありました。数年前、インド出身の人と剣道をしたのですが、日本の夏の暑さは苦にはならないそうです。インドでは4550度になるそうです。 

 

 体温を調整するのは、皮膚です。暑い国に育った人は皮膚を湿らせるような汗をかき、効率的に気化熱で体温を下げます。

 

 子供を冷房の効いた室内で過ごさせると、この機能の発達が阻害されるので、温帯気候から亜熱帯気候に移行しつつある日本の気候に順応出来ない大人になってしまいます。

 

 暑い時は、体温を下げるために出てくる汗を扇風機や団扇等を利用して体温を下げましょう。体温が5度上がると熱中症で死亡しますが、500ccの汗を気化させると体重70kgの人は、体温が5度下がります。膀胱には約500ccの水がありますが、水が不足すると膀胱の中の水を血管に戻します。

 

 身体が必要としない時に、水を飲ませると、膀胱の水を血管に戻すという機能も損なわれてきます。

 いつでも水が飲める状態の動物園の熊は、この能力が損なわれてくるので、野生に戻したとき、冬眠中に脱水症状で死亡するケースが多くなります

 

 人間が進化の過程で得てきた環境適応能力を最大限に発揮して、亜熱帯気候に順応出来る身体を作りましょう。

上記の文面の解説と一部誤りがありました。訂正とお詫びです。

膀胱の水が血管に戻す機能が十分でない子供の場合→夜尿症(おねしょ)に繋がります。
熊の場合「野生に戻したとき」を省いて下さい。野生に戻す事はありません。
「いつでも水が飲める状態の動物園の熊は、この能力が損なわれてくるので、冬眠中に脱水症状で死亡するケースが多くなります

膀胱も尿を吸収か

 皆様もご存知、尿をためる臓器の膀胱が、尿を吸収する機能も併せ持つ可能性が高いことを、京都府立医科大の渡辺泱名誉教授らが突き止めたそうです(京都新聞2016年3月2日号)。一般的には膀胱は、腎臓で作られた尿の貯留機能を持つが、吸収はしないと考えられていました。これまで睡眠時の膀胱容量を継続して計測した研究はなく、正確なことは不明でした。

 渡辺名誉教授らは、10~40代の男女24人に三次元超音波断層法を用いることで、継続した夜間の膀胱容量測定に成功、結果、入眠後、短時間で平常時の限界容量に達した後、約6時間後に覚醒するまで容量が一定となるケースのあることが判明、この間、容量減少も観察されました。

特集「女性排尿障害の超音波診断」
現行の膀胱と尿道の解剖学と生理学を見なおす
https://doi.org/10.3179/jjmu.JJMU.R.86

現行の膀胱・尿道に関する解剖学・生理学において定説とされている5件の事項について,物理学・超音波医学の立場から,次のような修正すべき提言を行った.(1)蓄尿・排尿に際して,膀胱支配神経は膀胱の物性を2段階に変換させるためのon-off制御にしか関わっていない.(2)膀胱壁の厚さ,すなわち膀胱重量は,排尿に必要な収縮力(尿道抵抗)に応じて極めて速やかかつ動的に変動している.(3)尿道の主な機能は蓄尿時における閉鎖作用より排尿時における開大作用にあり,尿道の開大効果が排尿行動を主導しているらしい.(4)男性尿道は膀胱から前立腺を貫いて連続する長大な尿道筋束を有し,従来から外尿道括約筋と呼ばれている部分はその下端部分に過ぎない.(5)膀胱は,少なくとも睡眠時にはかなりの量の尿中水分を吸収している.