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口蹄疫について

http://www.asunet.ne.jp/%7ebbb/92-12.html

口蹄疫予防について

佐賀新聞掲載日2010年05月28日


 鹿島市 掛園浩(43)

 口蹄(こうてい)疫は、偶蹄類(牛、羊、豚、イノシシなど)が口蹄疫ウイルスによって引き起こされる病気です。口蹄疫は感染力が強く、人間にも感染します。

 ただし、人間が感染した場合、軽度の発熱と口内炎が生じる程度で、ほとんど自覚症状もなく自然治癒します。しかし、体内からウイルスがいなくなるまでの約2週間は、ウイルスが排出されるため、感染者が家畜が飼育されている場所に近づくと、口蹄疫の感染を広げることになります。

 1990年の全米公衆衛生協会の公式報告には、口蹄疫の感染を広げる原因は「口蹄疫に感染した酪農従事者、畜産農場従事者、獣医師などが家畜に近づくためである」と明記されています。従って、米国では、口蹄疫が発生した地区からの入国者に対しては、2週間以内に家畜に触れたことがあるか否かの審査があり、該当する場合には、感染予防のため、2週間以内は米国の家畜に近づかないことが求められます。

 日本の口蹄疫予防対策も、米国の指針に習うべきではないでしょうか。
(歯科医師、予防医学専攻)

 
「人が保菌者になって感染を広げる」という見解は、日本獣医学会の見解でもはっきりそうなっています。
日本獣医学会HP:霊長類フォーラム:人獣共通感染症(第99回追加)6/6/00より抜粋
( 3)全米公衆衛生協会の公式報告
Abram S. Benenson, ed.: Control of Communicable Diseases, 15th edition, p108.
An Official Report of American Public Health Association, Washington DC, USA (1990)
 FMDウイルスの感染は酪農従事者、畜産農場従事者、獣医師、ウイルス取り扱い技 術者などに認められ、また、ウ イルスのメカニカルな保菌者となり、動物へのFMD流行の感染源となる。