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質問1
 浜六郎氏は食品に含まれるフッ素の量を実際に計測された事があるのでしょうか。
 もし、むし歯予防に使う程度のフッ素量が危険ならば、フッ素の含有量が多い、緑茶やビールも飲めなくなります。

浜氏の回答:原文

長い回答ですので要点だけまとめ、それにそれに対する回答と質問のHPです。
http://www.asunet.ne.jp/%7ebbb/95-50.html

. 食品に含まれるフッ素測定の経験がなくとも安全性の検討は可能です。測定経験の有無とそのことを議論する資格とは別のものだと考えます。

自分でフッ素を測定した経験はありませんが、自分でフッ素を測定しなければフッ素の害について意見が言えないとは考えません。もしも、フッ素の危険性を論じるのにフッ素濃度の測定経験が必要ならば、フッ素の問題に限らず、およそあらゆる分野のこと、例えば薬の害について、公害問題についてほとんどの人は意見をいうことができません。

また逆に、フッ素の濃度を測定したことがあるからといって、それの生体への影響を議論できるというものでもありません。フッ素の使用量の違いによる生体に現われた変化を比較検討して初めて、その生体への影響(益にしろ害にしろ)が議論できるのです。

フッ素の量を実際に測定しなければ議論する資格がないというなら、動物を飼育してその影響を調べたことが無い人は、動物実験の結果を議論できませんし、人での影響に関して疫学調査をしたことがない人は、その影響について議論する資格がない、という理屈になります。そうすれば、総合的な有効性や安全性の問題を論じる資格は、測定も、動物実験も、疫学調査も、臨床も、歯科治療もしたことのある人にしかないことになります。そのような人は現実にはだれもいないでしょう。

さらに申し上げるなら、掛園様ご自身、フッ素の測定をされたことがあるのでしょうか。また、掛園さまは歯科医ですから、発癌の問題、フッ素の全身への影響については何も議論する資格はないということになります。

しかし、実際には、そうではありません。フッ素の測定をされていなくても、医学的・疫学的調査結果や、基礎的実験、動物実験など学術論文を駆使して、その評価を行うことは、ある程度の素養と努力をすれば、十分可能でしょう。

もっと根本的なこととして、掛園様のお考えでは、国が新薬などを承認する際の審議委員は、当該の薬剤を治験した本人でなければならないという理屈になりますが、むしろ現実にはそうした当事者は、自分の試験回答を自分で採点するようなものですから、審議から外れてもらうのが適切なルールです。

実験や測定をすることと、それらの結果を判断することとは別次元であることがお分かりいただけると思います。

緑茶やビールなどを例に出されましたが、だからこそ、日本人で緑茶をよく飲む人は基本的にはそれだけでもフッ素を多量に摂取していることになるので、わざわざフッ素を水道水に添加したり、フッ素洗口をしたりする必要はありません。余分なフッ素は有害無益なだけです。

一つの食品に偏れば、特定成分を過剰摂取する危険がありますが、1日に30種類の食品をとろうというのは、そうした危険を分散し回避する狙いもあります。危険回避のための安全対策として、ある食品に偏らないことが最も重要なことと心得ます。 

なお、私への公開質問状にはありませんでしたが、掛園様のホームページでの解説によると、掛園様はフッ素をビタミンと同様に考えておられるようです。しかしながら、フッ素の利用を推進している人たちでさえ、その主張はもうしておられないことを、付け加えておきます。

ビタミンは食物中にごく微量含まれ、生体内の物質代謝の触媒として働く生体内では合成されない必須有機物質です。ですから不足すると欠乏症を起こします。たとえば、ビタミンAが不足すると視力障害(夜盲症)などの欠乏症状を引き起こします。ビタミンB1は不足すると脚気やウエルニッケ脳症、乳酸アシドーシス、ショック、ホルモン異常、汎血球減少症など全身の症状を起こします。このようにビタミンであるからには、不足することにより確実に「欠乏症」が出現しなければなりません。

しかし、フッ素は過剰による害はありますが、いくら不足しても「欠乏症」は起きません。虫歯(う歯)はフッ素欠乏症ではありません。フッ素が不足していても虫歯のない子はいくらでもいることを考えれば、虫歯がフッ素欠乏症でないことは明らかです。食品成分表にもフッ素濃度は載っていません。

つまりフッ素は不足していても生体にとって何ら不都合はないのです。それをわざわざ外から添加なり補うからには、よほどの有益性が確認され、安全性が確保されなければならないと考えます。

それとも、掛園様は、フッ素欠乏症として何かが起きるとお考えでしょうか。もしもフッ素欠乏によって起きる病気をご存知でしたらお教えください。